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2009年3月30日 (月)

日本人とドイツ人の価値観の違い 【命の話17】

 

こんにちは。井手敏郎です。

本日も、このブログのテーマでもあり、

日本における死生学のさきがけとなった、

アルフォンス・デーケン氏の

『よく生き よく笑い よき死と出会う』(新潮社)

から紹介します。

今回の『死生学』は「価値観を見直す」です。

本文の内容は、簡単にできると思いますので、

ぜひ時間をとって取り組んでみられたらどうでしょうか?



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では本日の『死生学(命の話)』をどうぞ(/^-^)/
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若い時にはどうしても、仕事の業績を上げること、

地位の獲得、財産の確保に大きな価値を置きがちです。

他人を押し退けてでも、

目的に向かって走ることしかない時期もあります。

それが社会的にも評価されるものだったりするわけです。


しかし、懸命に努力してある目標に到達してしまうと、

満足感と共に一種の虚しさを感じる人も多いのではないでしょうか。

それまでの価値観では満足しきれない自分に気がつく瞬間です。


この価値観の危機も、人生の一つの挑戦です。

中年期からのこの挑戦に対しては、

「価値観の見直しと再評価」

が効果的な応戦のステップとなります。


価値観は、時期や立場によってそれぞれ異なって当然なのです。

中年期以降は、時どき自分の価値観を再考し、

はたして自分の人生の真の目的は何なのかと、

もう一度問い直してみる必要があるのです。


たとえば、今の日本では個人の家庭生活よりも

企業の利潤追求の方が優先されていますが、

ドイツでまったく正反対です。


私の弟は故郷の町で小さな会社を経営しています。

子供が4人いる普通の家族ですが、その生活ぶりを見ますと、

日本とあまりに違うのでびっくりします。


夕方5時になると社員は全員さっと帰宅します。

どんなにたくさんの仕事を抱えていても残業はしません。

また翌朝8時から働けばいいと考えています。

もちろん、残業すればお金は稼げるでしょうが、

それよりも家族そろって夕食をとることの方が大切なのです。

人生はいつも個人の生活を中心に考えたい、

というのが多くのドイツ人の価値観です。


かように、人間の価値観は実にさまざまです。

そして中年期からは、

今までの自分の価値観を振り返って考え直すことが、

一つの重要な課題になります。


そのためには、現在、自分が大切だと思うことを、

10項目くらい挙げて

優先順位をつけてみるのも一つの方法です。

仮に、40代のサラリーマン男性が、

次のような10項目を挙げたとしましょう。


1、家庭の団欒
2、自身の健康
3、家族の健康
4、仕事
5、息子の進学
6、貯蓄
7、ゴルフ
8、世界平和
9、日本経済の復興
10、新車の購入


項目を書き出したら、自分はこの一週間のうち、

それぞれの価値のために

どれだけ時間を使ったかを振り返ってみるのです。

さて、サラリーマン氏がもっとも価値を置いた「家庭の団欒」。


そのために彼は何を実践したでしょうか。

休日に一家揃ってのハイキングを企画したのでしょうか。

子供たちから日頃の学校生活の内容を詳しく聞いて、

家族でディスカッションする機会をつくったでしょうか。


家族と散歩したり語り合ったりする時間が、

ゴルフに費やす時間より少なかったのなら、

「家族の団欒」

を1位に挙げるのは間違っているということになります。

1位はゴルフです。

しかし、それでいいのでしょうか。


自分が1位と考える「家族の団欒」

という価値を優先させるために、

今までの生活様式を変更する必要があるのではないでしょうか。


もし、昼食も夕食もそっちのけで

仕事に忙殺された一週間であれば、

その週の価値順列は、自分の理想とは程遠いことになります。


このように、年に何回かでも自分の価値観を見直して、

新しいライフ・スタイルを創造していくのは非常に有益です。

とくに中年期からの価値観の危機を乗り越えるために、

とても有効な方法と言えます。

 

 

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「命に効くえすちょん」をどうぞ <(゜ヘ゜)>ウ~ン
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自分が大切にしている価値観と

実際に費やしている時間に大きなずれがあっては残念ですね。

一番大事と思うことに、今週、どれくらい時間を取ったでしょうか?

どうすれば大事なことに、もっと時間を捻出できるのか?

お互い見直してみましょう。

 

 

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2009年3月29日 (日)

幸せな労働と不幸な労働の境目 【命の話16】

Photo

 

 

 

こんばんは。

井手敏郎です。

夜行電車が遅れ、

今日の小山市の死生学講座(写真)の会場へ

急いで向かわねばならなくなりました(汗)

余裕をもって計画しないといけませんね。

上智大学名誉教授でもあり、

日本ではじめて「死生学」を提唱した、

アルフォンス・デーケン氏の

『よく生き よく笑い よき死と出会う』(新潮社)

から紹介します。

今回の『人間力』は「広いスケールで評価する」です。

 

 

 

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では本日の『死生学(命の話)』をどうぞ(/^-^)/
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「生きがい」とはどういうものでしょうか。

中世ヨーロッパで、

パリのノートルダム寺院を建てていた時の話です。


3人の労働者が汗を流しながら働いていました。

3人とも同じ仕事をしているのですが、

「あなたは何をしていますか」

とそれぞれに尋ねてみました。


1人目は、

「重い石を運んでいます。とても大変仕事です」

とぼやきました。


2人目は、

「私は一生懸命働いています。家族のためです」

と答えました。


3人目は、

「私はノートルダム大聖堂を建てているのです」

と胸を張りました。


仕事の内容は同じでも、人間として、

仕事に臨む態度はずいぶんと違うものです。


私が提案したいのは、ただ狭い意味での仕事の内容でなく、

もっと広いスケールで

自分の仕事を評価することが大切だということです。


パリの3人の労働者は、自分が生きている間には大聖堂は

完成しないことを知っていました。


しかし3人目の労働者が言ったように、

自分は大聖堂を建てる協力者である、

つまり意義のある大きな仕事に携わっていると知ることが、

実は真の「生きがい」につながるのではないでしょうか。

 

 

 

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「命に効くえすちょん」をどうぞ <(゜ヘ゜)>ウ~ン
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あなたの取り組んでいる仕事を、

もっと大きなスケールで評価したら、どう語れますか?

 

 

 

 

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2009年3月17日 (火)

最新緩和医療の先にあるもの 【命の話15】

 

おはようございます。

井手敏郎です。

今回も、終末医療に携わる緩和医療医、

大津秀一さんの『余命半年 満ち足りた人生の終わり方』

(ソフトバンク新書)からです。

もし「がん」になったら私もこの方法を望むかもしれません…。

 

 

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では本日の『死生学(命の話)』をどうぞ(/^-^)/
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がんの困ったところは、

多種多様な苦痛症状が出現するその特色である。

病初期にはそれらの苦痛は顔を出さないが、

末期ともなると複合的に出現し患者を苦しめ、

結果としてやりたいことをする時間を奪ってしまうのだ。

無事に指導医から一人立ちをして、

患者さんを一人で診察するようになって、

いつも頭を悩ませていたことの一つが、

進行がんの患者さんの苦痛をなかなか緩和できないことだった。

もちろん、マニュアルだとか、

苦痛緩和の特集が組まれている医学誌だとか、

それらを読んで勉強はしていた。

しかし、苦痛緩和の医療に長けているとまで表現できる医師とは

出会えなかったため、常に手探りで独学の状態であった。


そんなとき、私はある本と出会った。

平成16年のことだった。

書名を『最新緩和医療学』(恒藤暁著)という。

これからの快進撃の話は、長くなるので詳述しないが、

初めて私が緩和医療を行ったのは60代の女性の患者だった。

 

彼女は肺がんだった。

抜いても抜いても溜まってくる胸の水に苦しんでいた。

胸の水を抜くために針を刺す体の痛み、

そして抜いても抜いても胸の水が溜まってしまう精神的な苦痛。

それらに彼女は苦しめられたし、さらにだるさ、

食欲不振などの諸症状、

極めつけは家族内の不和(夫や娘、息子との不仲)があり、

彼女は孤独だった。

 

その彼女に、私は『最新緩和医療学』に記してある通りに、

ステロイドを使用してみた。

進行がんにステロイドを使用するなど、

それまでの私は聞いたことがなかったし、

一般的に長期投与で感染を起こしやすくなったりなど

様々な副作用を起こすこともあるステロイドを、

進行がんや末期がんで

全身状態が悪化した患者に使用するなど考えたこともなかった。

 

しかし、ステロイドは「ものすごい」効果を発揮した。

ステロイドの効果で、彼女の胸の水は全く増えなくなった。

むしろ、減る様相を見せた。

さらにはだるさや食欲不振まで改善した。

たった2、3日で見違えるように彼女は変わった。

 

そして、おそらく「家族の自然回復力」

(私の造語であるが、患者の死期が迫ると、

家族間が不仲であっても、

自然と仲が修復してくることが多い。

もちろん患者の死期が近いことで、

無用な争いを止めようとするのかもしれないが、

病床に不仲の者同士が居合わせて長時間話をしたり、

要するにコミュニケーションの復活で

積年のすれ違いなどが払拭されたりすることがある。

だからこそ、患者が苦痛にさいなまれていないというのは

非常に大事である。

 

患者が苦痛にさいなまれていれば、

家族は患者の傍にも居にくいわけだし、

また友好的なコミュニケーションを取ろうとする心境にならないことも

当然ながら多いと考えられるからである)

が一番の立役者であろうが、患者本人が元気になったことで、

家族の来訪も増え、結果的に家族同士の長年の葛藤が緩和されることとなった。

これが私の最初の成功例だった。

 

  

 

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「命に効くえすちょん」をどうぞ <(゜ヘ゜)>ウ~ン
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著者が「マジック」としているステロイドにしても

「最後の一週間」には、ほとんど効かないそうです。

やはり一番大事なことは、避けられない死に対し、

本人自身がどう向かっていくかの確固たる死生観。

あなたは死に臨む準備がありますか?

  
  
  
 
 

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2009年3月11日 (水)

「余命半年」となったとき人は何を望むのか? 【命の話14】

 

こんにちは。井手敏郎です。

しばらくお暇を頂いてしまいました。

 

考えるところがあり、

このブログで生と死の問題を

どう伝えていこうかと悩んでいましたが、

やっと方向が見えてきたので再開することにしました。

 

今日の『命の話』は終末医療に携わる緩和医療医、

大津秀一著『余命半年 満ち足りた人生の終わり方』

(ソフトバンク新書)からです。

 
 
 

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では本日の『死生学(命の話)』をどうぞ(/^-^)/
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「もしも、余命が半年であると告げられたら……」

そんな興味深いアンケート調査が、

『読売ウイークリー』で行われ、

平成20年10月12日号に掲載された。

30代から50代までの男女500人を対象に、その時どうするか、

それを問うためのものである。

 

文章末に、「ホスピスケア研究会」の平野友子氏の

「健康なうちから、自分の死について意識したり、

やりたいことについて夫婦で話したりするのは、

非常に良いことです。

普段から、それができていれば、いざという時、

何を目標とするのか、ヒントを見つけやすいと思います」

というコメントが載っている。


まさにその通りで、このような調査は非常に歓迎できるものである。

事前に脳内シュミレーションしておくことは、

何をするにも必要なことだ。


さて、このアンケートの質問1は

「どんな手段を尽くしてでも延命を望みたいですか?」であり、

その結果は、全体として延命を望むのは15、6%、

延命を望まないが58%、わからないが26%となっている。


これが男女別にすると面白く、

「(どんな手段を尽くしても)延命を望む」のカテゴリーで見ると、

30代男性は23%、40代男性は18%、50代男性は22%と

すべて全体の平均より上回っているのに対し、

30代女性は7%、

40代女性は13%、

50代女性は12%と

総じて全体の平均より低くなっており、

特に30代女性ではそれが低い。


30代で見ると、

「(どんな手段を尽くしても)延命を望む」のは、

男性23%もあるにの対し、

女性は7%しかないのである。

その差は非常に興味深い。


実際現場でも、

最後まで絶対に諦めないというのは圧倒的に男性が多い。

一方、女性の方はそこのところ現実的で、

ダメだとわかったら最後まで無理をすることなく、

スッと力を抜く人が多い気がする。


それゆえに、女性のソフトランディングは実に見事である。

自分の死後のことまで考えて、家族との時間、

特に子供との時間を大切にし、

自らの葬儀一切まで計画し終えて逝く人がすくなくない様は、

本当に尊敬の念を禁じえない。

 

一方男性は、体がぼろぼろとなっても、なおも治療に走り、

あたら大切な命を削っていることも少なくない

(とは言うもののごく少数ながら、

女性と同じかそれ以上に鮮やかな引き際を見せる男性もいるので

個人差もあり、決めつけは良くない)。


しかし男性の立場で擁護するならば、

男性はもともと男性ホルモンたるテストステロンが多い等、

闘争的・攻撃的な性質を持つため、

戦う(そして華々しく散る)方が性に合っていることや、

家族を支える収入確保のためそう簡単に死ぬわけにはいかない。


あるいは仕事仕事で生きてきて他のことに振る分ける時間を

最後ぐらいは確保したいとか、切実な思いがあるのだろう。


(中略)


さて、アンケートの質問2は

『生きている間に「これだけはやっておきたい」ことはありますか?」

である。


(中略)


この「やっておきたい」ことが、

千差万別で、かつ個性が際立っており面白い。

「遺言を書く。

子供に遺産を渡したい。

主人には1円も渡したくないので」

と背筋が寒くなる回答から、

「以前好きだった人に会いたい。

ちゃんとさよならを言いたい。

3秒間でいいから抱きしめてほしい」

「オーロラを見たい」とのロマンティック系、

「一人息子の結婚(をさせたい)」、

はては

「ハーレム生活」や

「カトゥーンの亀梨君に会う」などの

ユニークなものまで、

面白い回答(一部珍回答)が続出している。


さて、このせっかく考えた夢や、

楽しい気分をぶち壊したくはないのだが、

終末期医療の一人の専門家として私は、

質問3を投げかけねばならない

(なお本当のアンケートでは質問3は

「会ってみたい著名人はいますか?」だったが)。


あなたは最後の瞬間まで、

自分の目で見て、

自分の言葉でしゃべり、

自分の足で立つことができますか?

あるいはできると思いますか?


つまり私は、このアンケートを見た時に、

とある「前提」につっこみを

いれずにはいられなかった。

もちろんこのアンケートはとても良い企画だ。

しかし、その「前提」が、実際には成り立たないことを、

私たちはちゃんと知っておかなければならない、

私はそう思うのだ。


おそらくアンケートを行った人も、

その「前提」がそんなにも成り立たないとは

深刻に考えてはいないかもしれない。

もちろんアンケートに答える方はもっとだろう。


ただ、現場を見ればわかるが、

準備なしに、あるいは準備しても、

その「前提」は成り立ち難いのである。

 

 

 

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「命に効くえすちょん」をどうぞ <(゜ヘ゜)>ウ~ン
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実際は余命半年を、元気に力強く生きられる人はありません。

もし、やせ衰え、とても遠出する体力も失ってしまうとしたら、

あなたは何を望みますか?

 

 

 

 

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